2016年10月24日月曜日

ボーダーコリーの色と遺伝法則


『ボーダーコリーの色と遺伝法則』


最近、この話題をいろいろと聞かれることが多いので、
こちらで詳しい情報を記載したいと思います。
むか~し、似たような記事を書いたけど、今ではさらに勉強と研究をしてきたので今回のお話しももっと深いはずです。


実にお話しできる事がたくさんありますので、この科目に興味のある方はぜひお読みください。


だた、これを書く前に、ひとつだけ明確にしておきたいのは
私は色には一切関係なく、健全で性格の良いボーダーコリーを一番理想に想います。
カラーは私にとってボーダーコリーという、 実に色の遺伝子がたくさんある犬種を取り扱う上で、血統や歴史、骨格形成や性格の遺伝など、他のさまざまな事に加えて、これも研究と知っておきたい知識なのです・
あえて言いますが、私はブラック&ホワイト以外の色も大好きです だってその子達も立派なボーダーだもん。
ボーダーコリーの全てに魅かれています。 私はどの色もとっても綺麗、そして個性豊かだと思います☺
でも、誤解をされたくないのは、どんなカラーよりも、絶対に絶対に絶対に一番大切なのは健全さと健康、そしてボーダーコリーらしさがある事!!! です。




では、色について。

まずはボーダーコリーの色を紹介したいと思います。
以前、JKCに電話をし、聞いてみた事がありますがその時に私に教えてくれた色の種類は35種類もありました。 ボーダーコリーって本当にたくさんの色をもっているでしょう!!

【ボーダーコリーの登録可能なカラーの一部】
☆ブラック&ホワイト ☆レッド&ホワイト ☆チョコレート&ホワイト ☆ブルー&ホワイト ☆イザベラ&ホワイト ☆セーブル&ホワイト ☆ブリンドル ☆トライカラー ☆チョコホワイト&タン ☆ブルーホワイト&タン ☆イザベラホワイト&タン ☆ブルーマール ☆チョコマール ☆スレートマール ☆セーブルマール ☆ブルーマール&タン ☆チョコマール&タン ☆スレートマール&タン  ☆シール&ホワイト


<参考画像1>




<参考画像2>




たーだ、面白い事に、本当にさまざまの呼び名がありますが実はボーダーコリーのカラーを決める遺伝子はたったの6種類しかありません。上記全てのカラーはこの6種類だけで決まるのです。

<ボーダーコリーのカラーの遺伝子>

 (A-LOCUS)  トライカラー・セーブル・ブリンドル
B (TYRP1 LOCUS)  ブラウンの因子
(DILUTE MLPH GENE) 希薄因子 
K (K-LOCUS )  優勢ブラックの因子
E (E -LOCUS)  レッドの因子
M  (merle gene)  マールの因子



この6つで個体のカラーが決まるという事なのです。

では、カラ―が現れるのには、どのように因子を持ち合わせているのでしょうか?

まずはそれぞれの因子の役割を説明します。

 (A-LOCUS)
  トライカラー・セーブル・ブリンドル・シール を決める因子ですが、実はすべてのボーダーコリーがこの4つのいずれかの色を持っているのです。 その子に現れるのかK遺伝子によって決まります。

 B (TYRP1 LOCUS)  ブラウンの因子
これは日本ではチョコレートと呼ばれる色の遺伝子です。 
BB=何も無し
Bb=キャリア(因子をひとつもっているのでその子には表れないが、子孫へ受け継がせる事ができる)
bb=発色 (チョコレートが現れます)

(DILUTE MLPH GENE) 希薄因子
この遺伝子はべ―スの色を希薄するものです。 ブルー、イザベラ、スレートマールの因子です。
全ての個体には、
DD=何も無し
Dd=キャリア(因子をひとつもっているのでその子には表れないが、子孫へ受け継がせる事ができる)
dd=発色 (この色が現れます)

よってブルーカラーの子は
ddの遺伝子となります。 

さらに、もしもdd(=ブルー)を持ちながらも、B因子がbb(=チョコレートの場合)、
チョコレートが希薄されて、イザベラになります。

よってイザベラは bb、ddの組み合わせの遺伝子によって現れます。


K (K-LOCUS )  優勢ブラックの因子
 こいつは一番面白い遺伝子です。
優勢ブラックの役割をもっていて、この遺伝子でAの遺伝子がカバーされるのか現れるのかが決まります。

よって、
KKの場合 完全なる優勢ブラック、この子にもこの子の子犬にもA遺伝子の色が現れることがありません。

Kkの場合(大文字K、小文字k)  優勢ブラック。この子にはA遺伝子が現れることは無し。 ただ子犬には可能性が有り・

kkの場合(ダブル小文字k) この子はA遺伝子の色となります。 A遺伝子がトライの場合は、トライカラー、セーブルの場合はセーブルカラー などといった感じです。

豆知識💡
トライカラー×ブラック&ホワイトの組み合わせで、子犬達が全頭ブラック&ホワイトの場合になんで??と思うのはこのK因子があるからです。ブラック&ホワイトの子がKKという事になるでしょう。よって子犬達は、Kk となって、トライが現れていません。 


E (E -LOCUS)  レッドの因子
 
6種のなかで最高地位の因子。 すべての他の因子をカバー(マスク)するパワーをもっています。 

<要注意要注意!!!>
マールの親から産まれているレッドカラーは要注意!!!! 実はマールの可能性があります!!!!

EE=因子無し
Ee = キャリア(因子をひとつもっているのでその子には表れないが、子孫へ受け継がせる事ができる) 
ee = レッドになります。  

もしもここで、ddやbbなど、本当はブルーやチョコになる因子をもっていたとしても、eeによってかくされ、その子はレッドカラーになります。 
さらに、マールMmも隠されますので、マールの親から産まれたレッドの子はマールの因子を持っている可能性があります。 その個体にはまったく問題はありません(多くはブルーアイになる事が多いですが) もしも交配をするときには、レッド×マールでも、ダブルマールになってしまって非常に危険な組み合わせになります。 注意が必要です。

尚、親がマールカラーでは無い場合にはこの心配はありません。 


豆知識💡
レッドにはさまざま濃さがあり、ブリーダーはレッド、クリーム、ウィ―トンなどと呼び分けることがあるますが、本当は全てこのeeの因子かきています。

 
M  (merle gene)  マールの因子

マールを作り出す因子です。
チョコカラーの場合には、チョコマール、 ブルーの場合にはスレートマール、 イザベラの場合にはイザベラマールになります。

 マールは6つの遺伝子のなかで唯一、キャリアで発色をする遺伝子です


 mm = マールの因子無し。 
mM = マールのコピーをひとつだけもっているのは通常のマールカラー 
MM= マールのコピーを2つもっているのはダブルマール
 <⚠要注意要注意!!!> ダブルマールは色素が無くなり、ほぼ白になり、また高い確率で失明、視覚障害があります!!!! 
MM になる組み合わせは絶対に避けなければいけません。


豆知識1💡
マールは他の色と違い、ひとつの因子によって現れる色なので片親がマールでなければ子犬達は100㌫マールになりません。
よく、勘違いされるのが、
交配するAとBはどちらもマールじゃなくなくても、それぞれがマールから産まれている場合に「マールの子犬が産まれるかもねぇ♡」と期待をする方がいますが、マールは産まれる事はありません。
マールをもっていない場合はmm
 mm×mmで、Mが現れることは不可能な事なのです (分からない方はメンデルの法則を調べてみて下さい or 下記にも少し説明してあります)  


豆知識2💡
<隠れながらもマールの可能性も>
上記で説明したマールから産まれたレッドがもしかしたらマールを隠れ持っている可能性があるように、このような隠れマールに注意が必要です。 隠れマールでありながらも、その子はmMなので、遺伝子的にはマールになります。
<要注意な隠れマールのカラーとは?>
◆マールから産まれたレッドカラー (レッドがマールをカバーしている事が有ります)
◆マールから産まれたセーブルカラー (セーブルはふつうのセーブルとセーブルマールの違いが非常に見分けがつきにくいため、要注意です)
⇈ただし、この2つはマールから産まれている場合のみで、マールじゃない子から産まれたレッドとセーブルはマールの因子を隠し持っている事は100㌫ありません。
◆小さい、場合にはほとんどわからないような、体の一部分だけに現れるマール

マール(mM)でありながらも、体のほんの一部分だけに現れている事もあります。
見落としてしまわないように注意が必要です。

例↓
一瞬、ブラック&ホワイトに見えますが、よくみると、口の周りが少しだけマールです。
この子は、mMなので、もしマールと交配をさせたらダブルマールになります!

















ボーダーコリーの唯一危険な組み合わせは
マール×マールです!!



さて、これが一通りの因子説明ですが、

次は遺伝の法則を少しだけ説明します。


<色の遺伝の法則>


色は全てメンデルの法則によって遺伝するものです。


上記にも書きましたが、 ❶因子を持っていない、❷キャリア(因子を1つだけもっている)、❸因子を2つ持っている(発色) 
この3つだけです。

簡単に言えば、 
☑因子を持っていない個体からその色が産まれる事は不可能。(マールは除く)
☑そして、(マールを除き)色が現れるのには因子を2つ持っていないといけない。
です。

チョコレートカラーの一例を見てみて下さい。
こちらが全て可能な組み合わせとなります。



 これを見て分かるように、Bb×Bbのどちらもキャリアの場合には25㌫の確立ででてきますし、
もしもBB×bbの場合には、片親チョコでも子犬達には一頭もチョコが産まれません。

豆知識💡
例えば、過去3代とも全てチョコレートの先祖を持つ子は、「この子は血統がチョコが強いから、他のチョコと比べて、チョコを産む確率が高い」 と勘違いされがちですが、大きな間違いです。
過去1代だけがチョコでも、5代まで全てチョコでも、ブラック&ホワイトから産まれているチョコもみんな同じ「bb」の遺伝子をもっています。 

 
上記で「唯一危険な組み合わせ」はマール×マールと書きましたが、
チョコ×チョコは? レッド×レッドは? 危なくないの?
 と疑問に思う方が多いかもしれませんが、

答えは色遺伝的には、「まったく危険ではありません」 

だって、両親がその色でも、片親がその色でも、両親がどちらも色でなくても、
結局は同じ因子(チョコの場合はbb、ブルーの場合はddなど)によって産まれてきます。
 なので違いはなんなのか? というと、因子的にはまったく違いがありません。

 

 
 


 こちらはマールの遺伝方式です。
 ご覧の通り、因子が1つだけでマールが現れます。
また、他の色みたいに、キャリアで隠れもっている事がありませんので、突然現れることが無いです。






以上が遺伝子法則になります。
尚、法則はあくまでも平均的な頭数で、必ずしも絶対という事はではありません。
マール×ブラック&ホワイトでも、たまに全頭ブラック&ホワイトで産まれて来たり、全頭マールで産まれてきたりすることもあります。
そこが、遺伝の面白いところでもありますね(^^) 







今でも誤解されているカラーについての問題


いまだに、国内ではボーダーコリーといえば、ブラック&ホワイトがメインと考えている方はとても多いと思います。 (私も昔はそのひとりでした(笑) )
それは、いろいろな理由があるかもしれませんが、一般的に広く知られている色はブラック&ホワイト、そして国内でも産まれているカラーはダントツでブラック&ホワイトが一番多いし、飼育数も多いからでしょう。
ドッグショーにも行くと、ほぼブラック&ホワイトしかみかけません。

そして、全ての方ではありませんが、一部では
「ブラック&ホワイト以外の色は不健康・病気持ち」
「片親がブラック&ホワイトじゃなかったら子犬達は不健康だ」
「トライカラー、ブルーマールなどの色は性格がキツい子が多い。」
などとカラーをマイナスで考えているようです。 そして、あるマニュアルでも、適切な交配とは、必ず片親がブラック&ホワイト という事までかかれているほどです。


この意見の根拠は一体どこからきているのでしょうか?
 

実は大きな誤解なのです。
色は色の遺伝子によってきまり、遺伝をする性格は性格の遺伝子によって決まり、そして遺伝病は遺伝病の遺伝子によって、そして毛の長さや体系などは毛の長さの遺伝子、体系の遺伝子によって次世代に伝わるものなのです。


私の勝手な推測ですが、

珍しい色だけを追求して、健康と健全さ、血統や性格など他の事は一切重視せず、ブリーディングを行っているところが多いのではないのか?
と思います。

これは、色に関係なく、、このようなブリーディングで良い結果が出てくることはまずありません。

これが、今のカラーのマイナスなイメージの原因と考えてもよいと思います。


ただ、私は疑問に思うのが、
なぜ、それを「色」だけの問題にし、「軽率なブリーディングから」だという本当の問題に気付かないのでしょうか。


私は海外(ヨーロッパ・アメリカ)のボーダーコリーの本を何冊も持っています。

そのなかで繁殖について書かれている部分は色の遺伝よりも、まずは性格と気質の重視の大切さ、そして、ブリーディングの目的はなんなのか? どのようにして犬種にプラスとなるように努力をできるのか、
そのような事ばっかりがたくさん書かれてあります。


本当にこれが一番重要だと思います。


これを重視して、努力してブリーディングを行っていると、
たとえブラック&ホワイト、チョコレート&ホワイト、レッド&ホワイト、トライ
など全てのカラーにおいてとてつもなく素晴らしい子が産まれると思います。


絶対にカラーを一番に繁殖しないでほしい。


ただ、だからといってカラーをマイナスに考えてることはしないでほしい。



何事もそうですが、ちゃんとした知識を持ち、取り組むことが必要だと思います!






せっかくなので、当犬舎の輸入したルフィとテイラー(どちらもチョコレート色)
についての話しも少し。

ルフィ

テイラー


テイラーはアメリカ、ルフィはアイスランドから輸入しました。

輸入した理由は、チョコでありながも、見た目も骨格も、性格も、血統も私の理想に想う子が欲しく、やはり国内で探すのは難しいので、海外のブリーダーを探しました。

テイラーのブリーダーさんはアメリカで大きいほうの犬舎で、かなり有名です。
アメリカでも他の2つの犬舎と並び一番のチャンピオンの数が多く、ショーだけではなくスポーツ界でも活躍しています。
 実際に犬舎に行き、ブリーダーさんともお話しして(2時間以上お話ししてたっけ)、テイラーの血統のあれこれを教えてもらいました。 
そして、これなら安心だな、と思ってテイラーを迎えることにしました。


そしてルフィは、
父犬7か国チャンピオン、母犬も4か国チャンピオンのすんごい組み合わせから産まれています。 (JKCで申請した血統書には父犬のタイトルが入りきれず…なんか抜粋された国がありましたがw💦) 私の大好きな血統の両親です。
両親ブラック&ホワイトだけど、唯一兄弟のなかでチョコカラーで、それもそのブリーダーさんが一番骨格と性格が良いと教えてくれたので、これは素晴らしい出逢いと感じて迎えることに。
今でもその期待に応えて逞しく育っています(^^) 
来月にはショーデビュー予定でもあります。


ただ、この2匹をみていると、
カラーではなく、気質や骨格が素晴らしい事がよく分かります。

今後も、この子たちの良いところを受け継ぐ子犬達が産まれてくることを願っています。

そして、ブラック&ホワイト以外の子でも質が高い子がいる!! ってことを証明したいですね。





チョコだけではなく、海外ではたーくさんの綺麗なカラーの子達がいますよ~

 この方たちからたくさん学びたいものです。


何頭か紹介させてくださいね♪*  私の憧れの子たちです♡  



ブルー&ホワイト  イギリスのトップドッグ。


ブルーマール (アメリカチャンピオン)


セーブル&ホワイト 

ブルー&ホワイト クラフトBOB!!!



セーブルマール (アメリカチャンピオン)


セーブルマール (カナダチャンピオン)


シール&ホワイト (カナダチャンピオン)


ブルーマール (アメリカグランドチャンピオン)


これはすんばらしいわ~


セーブル&ホワイト  (´∀`)この子↓来月なんと・・・・??


トライカラー(ドイツチャンピオン)

チョコ&ホワイト (中国、アメリカ、メキシコチャンピオン)
 

 

みんな素敵な子達でしょう!




色の遺伝は奥が深い話しですが、 

分からない事や、間違った情報が流れることもあると思いますので、


今日の投稿は少しでも参考にして頂けたら嬉しいです☆


また、解らない事がありましたら、ぜひ聞いて下さい(笑)
ボーダーの話しなら何時間もできますので(笑)





ではでは~



 







4 件のコメント:

  1. とても興味深いお話でした。
    わかりやすくまとめてくださって、ありがとうございます!

    来月念願のボーダーライフをスタートさせますが、いつの日か、二頭めをそちらからおむかえしたいです。

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    1. コメントありがとうございます!
      いえいえ、少しでもお役に立てば嬉しいです(*^^*)

      ボーダーライフ、子育て頑張ってくださいね~♪

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  2. このような詳しい素晴らしい記事をアップしてくださりありがとうございます!
    我が家のやんちゃ坊主はいわゆる、クリプティックとかファントムなどと呼ばれる隠れマールです。
    だいぶ分かりやすい方ですけどね笑
    日本の記事ではとても犬達の遺伝子を勉強するには足りず、読めない英語文をなんとか読み漁ってました(^^;;
    でもこうやって華さんが詳しく記事にして頂けるととっても有難いです。
    私は個人の興味として自分の家族である子が一体どんな遺伝子を持ってどんな危険があるのかただ知りたかっただけです。
    でもきっと同じように思っている方は多いのではと勝手に思っています。
    なのでこのような記事はとっても嬉しですし魅力的です。
    今はハルクインの遺伝子に興味があります。
    グレートデンはもちろんラフコリー、オウシーにもあると言われている遺伝子。
    ボーダーにもあるようですが…
    致死性の遺伝子でもあるので注意深く勉強していければと思っています。

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    1. コメントありがとうございます(*^^*) 読んで頂けて嬉しいです。
      ドイルくんもファントムマールのような感じですよね♡
      気になっていましたが、、ドイルくんの血統書の表記はなにになっていますか?
      ボーダーって、毛色も書き方もなんでも有りなので、「ブラック&ホワイト&マールパッチェズ(Back&White&Merle Patches) 』とかいろいろな言い方も登録できるみたいです。
      ただ、表記は別でも因子はみんな同じなんですよね~

      ハルクインは、ボーダーコリーの場合「herding harlequinn」(ハーディングハルクイン)と呼ばれていますが、実際はTweed Merleという色で、マールの因子(M)からきているカラーとなります。
      グレードデンにあるハルクインは、M/m H/hという組み合わせから来ていていますが、ボーダーコリーにはHの因子がないので、グレートデーンと同じハルクインの色は存在しないそうです。  

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